■佐々木旭「もっと外で勝負しなきゃ」
23分にFWマルシーニョの3試合連続ゴールで先制しながら、アルビレックス新潟との前々節、湘南ベルマーレの前節に続いて追加点を奪えない。迎えた82分。鬼木達監督はDF大南拓磨を投入し、3バックにスイッチした。
攻めるよりも守る方へ比重を置く、という指揮官のメッセージ。しかし、残り2分とアディショナルタイムをしのげば勝利という88分にシナリオは暗転した。
左ウイングバックの満田誠が、MFエゼキエウにパスを預けて中央へ侵入する。エゼキエウは左へもち出し、直後に意表を突くヒールパスで川崎の選手たちを翻弄。あうんの呼吸でリターンを受けた満田が、迷わずに右足を振り抜いた。
強烈なシュートはブロックしたDFジェジエウに当たってコースを変え、ゴール右隅に吸い込まれた。守護神チョン・ソンリョンも一歩も動けなかった。
「みんな体を張っていましたけど、それでもなるべくゴールから遠いところで勝負できればよかった。あのレンジだと当たって、コースが変わるケースもあるので」
痛恨の失点シーンを振り返った佐々木は、さらにこんな言葉を紡いでいる。
「(最終ラインが)5枚になって確かに中には人がいましたけど、人が多くなったからこそ、カットインしてきた選手に対して『誰がいくのか』みたいな状況になってしまったというか。相手のウイングバックに対して僕たちもウイングバックではめられたし、その意味でももっと外で勝負しなきゃいけなかった」