植田直通が説く夏場の戦い方

 その後も鹿島は濃野のクロスに仲間隼斗がダイビングヘッドで飛び込んだ44分の得点機などゴールを奪えそうな形を何度か作ったが、前半は0-0で終了。後半突入後は逆にガンバにギアを上げられ、押し込まれてしまう。相手エース・宇佐美貴史も「最後の20分くらいは鹿島も強度が落ちた」と言うように、苦境に直面したのは間違いない。それでも、守備の要・植田直通中心に粘り強く耐え続けた。

「自分たちが後ろに重たくなる時間帯は増やしたくないけど、そうなったとしても失点しないことが大事。特に夏場はしっかりブロックを作って相手を誘い込むやり方も必要。それを今日はできた部分があった」と背番号55も前向きに捉えていた。

 最終的に試合はスコアレスドロー。4試合ぶりの無失点試合で1ポイントを確保したことは、今の鹿島にとって最低限の結果と言える。首位・町田ゼルビアがヴィッセル神戸に引き分け、上位陣の順位・勝ち点差が変わらなかったのも朗報。2位を死守したまま30日の次戦・神戸戦に向かうことができるのだ。

 そんな彼らに重くのしかかるのが、鈴木優磨の出場停止。ここまで全試合に出場し、10ゴールを挙げているエースFWの不在は非常にダメージが大きい。ポポヴィッチ監督はこれまでの試合や練習でトライしている通り、チャヴリッチを最前線に据えるだろうが、猛暑の日本の夏に慣れていない助っ人FWがどこまで体力的に持つかは未知数。前線からプレスがかからなければ、鹿島らしいサッカーはできない。決定力やチャンスメークといった部分を含めて、「優磨不在時の最適解」を見出していく必要があるのだ。

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