■選手たちが目を輝かせた「攻撃的3バック」

大住「疲れているし、3点差がついた。そうなると、確かに緩んでもしょうがない面はあるけど、2試合合計180分間をそういう状況にしなかったからこそ、森保監督はうまくやったな、と思ったんだよ。どうやったら皆が意欲的に取り組んでくれるんだろうかと考えて、攻撃的な3バックに挑戦させたら、新しいオモチャを与えられた子どものように、選手たちが目を輝かせて課題に取り組んだ」

後藤「この6月シリーズでは、選手たちが急いでヨーロッパから帰ってきて、帰国2日後に試合をするような状況じゃなかったから、ちゃんとした準備もできた、実は貴重な機会だったんだよね。それと同時に、消化試合であることは確かで、ヨーロッパの選手たちは1シーズンを戦い終えた後で疲労をためていて、コンディションの難しさがあった。その両面がある中で、うまくマネジメントしましたね」

――3バックはどう評価しますか。

大住「後藤さんはミャンマー戦の後、サッカー批評で左右の攻撃に差が出たと書いていたけど、あれは必然の結果だと思う。ウィングバックに左は中村敬斗、右には菅原由勢と、起用した人材の個性があるわけだから。攻撃的な3バックと言いながら、シリア戦のように右に堂安律を使うのとは違って、ミャンマー戦では本来サイドバックの菅原を入れたのは、森保監督らしい手堅さだったね」

後藤「シリア戦では左右ともに攻撃的な選手を入れて、後半からは4バックに変えていた。同じ3バックではあるけれど、2試合通じて、いろいろな形をやっていたね」

大住「その中でも中村からは、個人の力として一段と良くなったなという印象を受けた」

後藤「調子が良いんだろうなというのが、はっきりと出ていましたね」

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