■激しい試合を物語る「直接FK」の数字
こうして、鹿島アントラーズと横浜F・マリノスの伝統の一戦は白熱した、見ごたえのある90分となって、東京・国立競技場に集まった5万2860人の観客を喜ばせたのだが、同時にレフェリーの判定についてはストレスがたまる試合だった。
試合が激しいものになったので、反則や小競り合いも増えた。直接FKは鹿島が14本、横浜FMは15本。極端に多い数字ではないが、合計30回近く反則があったのだから、激しい試合だったのは間違いない。
そして、両チームが勝負にこだわったため、カウンターの場面で相手に抜かれそうになると、反則気味のプレーで相手を止める場面も何度かあった。
そんなプレーに対して、警告のイエローカードが出される場面もあったが、警告なしの場面もあった。もちろん、主審としては一定の基準を持って判断しているのだろうが、観客の立場からは細かいことが分からないだけに、基準が一貫していないような印象を受けてしまう。
69分にはこんな場面があった。
中盤でボールを持った鹿島の鈴木に対して、横浜FMの渡辺皓太がファウルを犯す。レフェリーの笛は鳴ったものの警告は出されず、それに対して鈴木が激しく抗議。その直後の71分、中盤でボールを持ったアンデルソン・ロペスに対して鈴木がファウル気味の激しいチャージをして、アンデルソン・ロペスが倒される。鈴木による報復とも思える行為だったが、この場面では反則も取られなかった。