■「幸輝に依存しているところがあって」
彼が後半29分の2点目をお膳立てしたのも特筆すべき点。背番号40が左の大外の低い位置まで下り、ボールを受けて、フリーになっていた知念慶に展開。13番がドリブルで持ち上がった瞬間に右の名古がダイヤゴナルで中に走って永戸勝也を引きつけ、空けたスペースに濃野公人が飛び込み、今季5点目を叩き出すという理想的な流れだった。
「キミ(濃野)が点を取っている大きな要因としては今年の(安西)幸輝のパフォーマンスがすごくいいことがある。ビルドアップに関しては幸輝に依存しているところがあって、あそこでボールが止まる瞬間があることがすごく大きい。そのおかげで左から崩れて、キミが取れていると思う」と鈴木優磨も説明していたが、「左から右」は鹿島の必殺パターンになりつつあるのだ。
最終的には関川のリスタート弾が飛び出し、3-2で横浜を振り切った鹿島。首位・町田と勝ち点35で並び、いよいよトップが見えてきた。鈴木優磨が8点、チャヴリッチが6点、濃野が5点、名古が4点というように、得点源が分散できているのが、今の鹿島の強さ。そこは昨季と比べると大きな前進と言っていい。
エース中心に攻撃陣に自信が生まれている今、この流れを加速するしかない。6月代表ウイークの2週間を有効活用すべきだろう。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)