■鈴木優磨の心を盛り立てたもの
その後、横浜に主導権を握られたものの、徐々に修正。関川自身が奪ったと思われた同点弾がVARで取り消され、師岡柊生の決定機も阻止されるなど、チャンスは作ったものの、追いつけないまま45分を終えることになった。
そこでランコ・ポポヴィッチ監督はいつも通り、ハーフタイムに檄を飛ばし、チャヴリッチを早めに投入。しかも彼をサイドではなくトップに配置。鈴木優磨をトップ下に一列下げ、右に名古新太郎、左に仲間隼斗という変則的な並びに変更したのだ。
これが奏功し、攻撃のギアが一気にアップ。後半12分に右の名古のクロスをチャヴリッチが頭で落とし、ファーから鈴木優磨が豪快な左足シュートを決め、同点に追いつく。
「上(のコース)はなかったんで、いかに下を狙うかだった。正直、かなり運もあったんですけど、何とか相手の股を抜けて、いいところに行きました。
誰だか忘れちゃったんですけど、相手に煽られたおかげですごい力が発揮できましたね(笑)。『絶対に勝ってやる』『絶対に点取ってやる』って心に決めていたので。僕はそういうタイプなんで力が入りました」
いかにも鈴木優磨らしい物言いで今季8点目を喜んだ。エースが得点ランキング上位に挙がってくるとチーム全体に弾みがつくのは事実。13点のレオ・セアラとはまだ5差あるものの、したたかに一発を決められる技術と戦術眼があれば、その領域に辿り着ける日も近そうだ。