■流れを引き寄せた「ダブルボランチ」変更
横浜FMの守り方を逆手にとって裏を取ることに成功したアル・アインは、前半の9分に素早いパスをつないで先制ゴールを奪い、精神的にも優位に立った。クリアボールがハーフライン付近にいたヤヒア・ナデルに渡ると、ナデルはそのボールをすぐにトップのラヒミに預け、そのままトップスピードでペナルティーエリア深くまで侵入。ナデルはラヒミからのパスをヒールでラヒミに戻し、ラヒミが横浜FMゴールに突き刺した。
その後、横浜FMはアル・アインの猛攻を受け続けたが、なんとかゴール前を固めて、さらなる失点を防ぐと、20分過ぎにはMFの並びを変えて守備を安定させることにも成功した。
スタートは喜田拓也をアンカーにして渡辺皓太と植中朝日をインサイドハーフに置く「逆三角形」だったが、渡辺のポジションを下げて喜田と2人で中盤の底のスペースを埋めたのだ(昨年まで、横浜FMはボランチ2人の形で戦っており、今シーズン就任したキューウェル監督がより攻撃的な「逆三角形」の形を取り入れた)。
横浜FMが中盤の並びを変えてからはボールを持つ時間も長くなり、26分に右から攻撃参加した松原健のクロスを渡辺がシュートして初めての決定機を作ると、28分にも左のエウベルからのクロスを喜田がシュート。横浜FMが、次第に流れを引き寄せ始めていたのだ(そこで、あのVARによるPKが生まれた)。
もちろん、これは結果論ではあるが、せっかく「1点リード」で臨むことができたのだから、第2戦は最初からこの守備的な並びでスタートすべきだったのではないかという気もする。少なくとも、まずは様子を見るべきだったろう。