ゾーンで守った場合の「もう一つの弱点」

 確かに状況的には難しいのだが、後ろにボールをそらすヘディングとか、ボールが来た方向に返すヘディングとか、こうした状況を意識しておかないと、うまくクリアできない。

 早く着地地点を読むことと、バックヘッドでペナルティエリアの外にボールを流すことが大切なのである。この場合、結果的に相手にパスをしているのと同じことになってしまった。
 84分のシーン。磐田の右CKからのFWマテウス・ペイショットが後ろのほうから飛び込んできてヘディングをする。GKの西川周作がボールを弾き出してことなきを得る。
 CKの際の浦和の守備は、4人と4人をツーラインに並ばせて守る。ゾーンで守った場合のもう一つの弱点は、守っている選手と選手の間に後方から飛び込んでヘディングされた場合である。
 まさに、このシーンはそれだった。磐田のときと同じように、体格の良い選手には同等にフィジカルの強い選手をマークにつけるのがいいと考えられる。
 浦和は、攻撃に関してボールの動かし方が試合を重ねるごとにスムーズになってきている。したがって、ゴールシーンまでボールを運べる回数も増えてくる。そうすれば、おのずと得点力はアップしてくる。
 次節のFC町田ゼルビア戦は前半戦の山場になる。首位を走る町田に黒星をつけられるのかどうか。浦和の課題は、クロスを入れられたときの守備をどう改善していくのかにある。5月22日水曜日のルヴァンカップの戦いを経ての26日日曜日の試合は、厳しい日程の中で先発メンバーを含めて総力戦になるだろう。

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