■最新大会のホスト島は「浜名湖と同じ面積」
最新の「アイランドゲームズ」2023年大会の「ホスト」はガーンジー島。といっても、わかる人はほとんどいないだろう。白状するが、私も、グーグルマップで場所を確認し、ウィキペディアで調べて「こんなところがあったのか」と初めて知った。だいたい、「Guernsey」というスペルをどう読むのかというところからスタートしなければならなかったのである。
ガーンジー島は「イギリス海峡」といっても、フランスのブルターニュ半島とコタンタン半島にはさまれたサンマロ湾に入りこんだところに浮かぶ「チャンネル諸島」の主要な島のひとつである。東のフランス本土コタンタン半島まではわずか50キロという近さで、8500年ほど前まではフランス本土と陸続きであったというが、今では立派な「英国領」である。というより、英国の王室が所有する「私領」なのである。
10世紀に北フランスのノルマンディー公国の領土となり、11世紀にノルマンディー公ギョーム2世がイングランドを征服してイングランド王「ウィリアム1世」を兼ねるようになったとき以来、ガーンジー島を含むチャンネル諸島は英国王室の直轄地となったという。日本で言えば平安後期、藤原氏による「摂関政治」が惰性期を迎え、東国(関東)で源氏を代表とする武士たちが力をつけてきた頃の話である。
ガーンジー島は面積62平方キロ。浜名湖(静岡県)とほぼ同じ広さの島というから、けっして小さくはない。主邑(最大の集落)のセイントピーターポートを中心に、約6万5000人の住民が暮らしている。しかし、この規模の島で、14競技、アスリート2000人を超す総合スポーツ大会を開催するのは並大抵のことではない。