大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第138回【島対抗オリンピック「アイランドゲームズ」って何?】(1)謎のGuernsey島で開催「男子はジャージー、女子はバミューダが金」の画像
世界の国際スポーツ大会は、W杯やオリンピックだけではない。(写真はイメージです) 撮影/中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、日本と同じ島=アイランドに住む人だけが参加できる(?)、あまり知られていない国際スポーツ大会の話。

■島の人々の心を浮き立たせる「村の運動会」?

 オリンピックでもワールドカップでもない。2023年7月、島の人々の心を浮き立たせたのは、世界各地の24の「島」からやってきた2194人のアスリート、そして、14種目にもわたる競技だった。そしてサッカーでは、男子はジャージーが、女子ではバミューダが優勝を飾った。ジャージーは単独最多となる4回目の「金メダル」、そしてバミューダは10年ぶり2回目の優勝だった。

 世界にはさまざまな国際スポーツ大会がある。100年近い歴史を誇る「コモンウェルスゲームズ(英連邦競技大会)」は、かつて「日の沈まない国」と言われ、世界各地に植民地をもっていた「大英帝国」の国や地域が集まる総合競技大会。日本ではほとんど報道されることはないが、1930年から4年に1度、正確にサッカーのワールドカップと同じ年に開催され、2022年のバーミンガム(英国)大会には、参加72チーム(国や地域)、20種目の競技に、5054人ものアスリートが参加した。

 だが、こうした「巨大大会」の一方で、まるで「村の運動会」のような雰囲気の「国際スポーツ大会」もある。そのひとつに、1985年にスタートし、以後2年に1度開催されて2023年で19回の歴史を積み重ねてきた「アイランドゲームズIsland Gemes」がある。英国を中心に始まり、現在では北欧や地中海、カリブ海の小さな島々も参加し、さまざまな競技を楽しんでいる。

 いわば「島々のオリンピック」とでもいうべき競技会。その名称は、もしかしたらスコットランドで1000年の歴史を持つ「村の運動会」である「ハイランドゲームズHighland Games」を、もじったものだったかもしれない。

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