■本当の勝負は「U-17女子ワールドカップ」
ただ、時にはそんな「大人のサッカー」から離れて、一気に勝負を決めてしまうようなパワーも必要だ。とくに自分たちより強い相手と戦うときには、リスクを冒した攻撃も必要となる。そうした意味で、オーストラリア戦で10分までに2ゴールを決めた佐藤のプレーが異彩を放って見えたのだ。
まずは思い切って勝負に行って、それが結果に結びつかなかった場合には「大人のサッカー」でじっくりと戦う……。そんなバランスが理想だろう。
いずれにせよ、U-17代表というのは育成のためのチームだ。決勝戦での敗退は残念なことではあるが、重要なのは才能あふれる選手たちが、これからどのように成長し、フル代表までつなげていくかだ。
決勝戦では北朝鮮に完敗してしまったが、この年代での本当の勝負は、10月から11月にかけてドミニカ共和国で開催されるU-17女子ワールドカップだ。北朝鮮より上の順位に進めれば、それは北朝鮮を上回ったことを意味するし、最終的にはフル代表での勝負になったときに北朝鮮を上回って、アジア最強の地位を確保することが目標となる。
才能あふれる選手たちの将来の成長を楽しみにしたい。