■これまでと「異なるタイプ」のFWが躍動

 ただ、眞城や榊は将来の日本の女子サッカーで中心的な役割を託せそうな存在だったし、FWにも171センチの長身を武器とする津田愛乃音や佐藤ももサロワンウエキといった個性的な選手も活躍した。

 津田は初戦の後半から出場して、ペナルティーエリアに入ったあたりでボールを受け、反転から強烈なシュートをゴール左下隅に突き刺し、また171センチの長身を生かして豪快なヘディングを決めるなど可能性を示した。

 そして、佐藤はオーストラリア戦で開始10分までに2ゴールを決めるという華々しい活躍を見せた。とくに、先制ゴールはロングボールを胸でコントロールして、そのまま深い位置まで踏み込んで強烈なシュートを決めたもの。フィジカルコンタクトの強さを武器とした選手だった。

 どちらも、日本人選手としては、これまでと異なったタイプのFWだった。

 今大会もそうだが、最近の日本チームはアジアの相手に対しては「大人のサッカー」で勝利することができる。今大会でも初戦のタイ戦では、前半はスコアレスで眞城が先制ゴールを決めたのは51分のこと。中国戦では前半9分に福島が先制ゴールを決めたものの、2点目は74分。準決勝の韓国戦でも根津里莉日が先制ゴールを決めたのは40分のこと。

 佐藤がいきなり2得点したオーストラリア戦以外は、いわゆる“勝ち味が遅い”試合。

 しかし、相手が守備を固めてなかなか点が取れなくても、少しも慌てず、じれず、リスク管理をしながら丁寧に攻撃を繰り返すことで勝利をつかみとった。

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