3失点目を喫した1分後の場面だ。森山佳郎監督が逆転を目指してピッチに送り込んだのは、背番号24。名願斗哉だ。
現在19歳のアタッカーは左サイドに入ると、ボールを受けた瞬間から攻撃的な姿勢を見せる。縦に行くか、あるいは中に入って相手の動きを見るか。そのたびに、ユアテックスタジアムの期待が膨らむのが分かった。
5月26日にJ2の上位対決としてベガルタ仙台が挑んだファジアーノ岡山戦。結局、チームは1-4で敗れたものの、若きアタッカーは逆転への希望を背負ってプレーしてみせた。
「今日の試合にもそうですけど、得点が欲しいときに(自分はピッチに)入るので、そこで得点に繋げることができなかったっていう事実を受け止めなければいけない。そこはもう練習から本当にやるしかないなと思います」
敗戦後に口にした言葉は、チームに勝利をもたらしたいとする責任感に満ちあふれていた。
「試合に出られない選手もたくさんいる中で自分が出させてもらっていますので、責任を持って仕事をやりたい」
強い気持ちの根源は、試合に出るありがたさと、そして、チームメイトへの思いが大きい。