■広島に相応しくない8位
目下、新井や松本泰志らが前向きな流れをもたらしているが、井上愛簾、中島洋太朗ら若手含めて起爆剤になるような存在がもっともっと出てくることが望ましい。そうしないと、メンバー固定傾向の強い広島の戦い方は大きく変わらないだろう。
いずれにしても、15試合終了時点で8位というのは、完成度の高い広島に相応しくないポジションだ。大迫敬介、塩谷、佐々木翔、荒木といった能力が高く、安定感のある守備陣を揃えるチームはそうそうない。選手個々も成長している。だからこそ、もっともっと失点数を減らし、勝負どころでゴールを奪える集団になっていくことが肝要なのだ。
首位・町田とは12ポイント差、ACL圏内の3位・ヴィッセル神戸とも6差と厳しい状況には変わりないが、ここからいかにして浮上のきっかけをつかんでいくのか。彼らは「ここ一番でチャンスをモノにできるしたたかさ」をここから養っていくしかない。
(取材・文/元川悦子)