日本代表として119試合に出場。ワールドカップにも3大会連続で出場し、釜本邦茂の75得点、三浦知良の55得点に続く、歴代3位の50得点をマークしたシント=トロイデン(STVV)所属の岡崎慎司(38)。座右の銘に「一生ダイビングヘッド」を掲げる魂のストライカーが、現地時間5月17日に開催されたベルギーリーグ第39節(プレーオフ2の9節)で、三竿健斗と明本考浩が先発したルーベンと対戦。現役ラストゲームに臨んだ。
そんな38歳の最後の雄姿を見ようと、ベルギー・リンブルフ州シント=トロイデンにあるホーム「大王わさびスタイエンスタジアム」で行われた試合には、日本からも多くのファンや取材陣が訪れ、試合が終わった後まで、岡崎の最後の言葉を聞こうと、100人以上が待ち受けた。
試合後、クラブ公式のインタビュー取材やファンとのミーティングで岡崎は、サッカーに対する思い、チームの若手、心残り、引退後の生活や最高のゴールなどについて率直に語った。
2023年5月にフィンク監督が就任後、途中出場も含めて、出場7試合にとどまっていた38歳の岡崎。同チームの若手たちに、どのようなアドバイスを送っていたのか?
「言葉で伝えるというより、プレーで見せるしか自分にはないんです。試合を見ていて、こういう風なシチュエーションだったら、こうしたほうがいいといった話もしたりしません。選手として、(若手選手と)同じ選手としての立ち位置を保ちたかったんで」
先輩後輩もなく、ヨーロッパらしく、プレーで見せることで一緒にやってきたという岡崎。チームの若手は、岡崎の背中を見て学んだのだろう。続けて、
「本当に最低限のプレーしかできなかったんで、こうしておけばよかったな~、こう動けばよかったな~と思うプレーもいっぱいあった。ずっと、その連続で現役生活をやってきたんで、今日も試合に入ったら、その連続でした。
ただ最後の最後に、シント=トロイデンの日本の選手、分かり合える選手たちの中でやれたので、うれしかったですね。プレスのタイミングもそうだし。一緒にやれている感がありましたね」
と、うれしそうに試合を振り返り、そして、シント=トロイデンにおける「理想の自分」についても口にした。