ベストゴールと「一生ダイビングヘッド」の由来

 その後のファンミーティングの席上で出た、「今までで一番、印象に残っているゴールはなんですか?」の質問に対して、
「すべてのゴールが自分にとって思い出深いのですが、一番は、日本代表でワールドカップ南アフリカ大会へ行くことを決めたゴールですね。自分にとって、キャリアの流れですごく重要なゴールだったなという理由もあるし、それがあったからこそ、こうやってヨーロッパに来られる選手になったのかなと」
 また、日本に戻ったら、まだやれるのではとの声に対し、
「一番の理由はケガ、膝が痛いという年齢のオッサンになってきて、今日も見てもらえればわかりますけど、人工芝のグラウンドというのもすごくあります。

 もちろん、このケガを治して日本でやるっていう選択肢もなくはないと思うんですけど、プロのサッカー選手を続けるというのは本当に難しいと思うんで。モチベーションもありますし、日本に帰ったときに、この苦しいモチベーションの中でサッカーできるのかというのもありますし、これ以上続けても自分自身がサッカーやっていけるっていう自信がなくなったっていうのが一番です」
 と、ホームの人工芝が、膝を悪化させた一因だったことをほのめかせる発言も。
そして、自身の座右の銘である「一生ダイビングヘッド」の由来について解説する。
「座右の銘は一生ダイビングヘッド。それは小学校のときのコーチがとんでもないコーチで、とにかくダイビングヘッドというか、ゴールするまで、どんなボールが来てもヘディングしろ、ということを教えられて、やり続けて、その恩師がくれた言葉なんです。
 何が気に入ってるかっていうと、ダイビングヘッドをするっていうのは自分の特徴のひとつではあるんですけど、それだけじゃなくて、飛び込んでいると、その飛び込んでいったところで、いろんなことが分かって成長していくっていうのが、ほぼ自分の人生と一緒だなと感じるんですね。
 何事に対してもダイビングで飛び込んでいきたいっていうのは、これからも続けていかなければと思います」
 日本のサッカー界を牽引した岡崎慎司。一生ダイビングヘッドを標榜する彼なら、指導者として多くの選手たちの成長を助け、ひいては日本サッカー界に新たなる黄金期をもたらしてくれるに違いない。現役生活、お疲れ様でした。今後の魂のストライカーに幸多からんことを祈りたい。

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