理想は自分がワントップに入って「得点を量産」

「本当は、自分がワントップに入って、若手の選手たち引っ張って、自分が点を量産してっていうのが理想でした。でも、自分のこともできてない人間が、人のこと何か言ったりするのは、違うと思うし。プレーがうまくいってなかったし、ケガもあったし、そんな人間が何をアドバイスするんだって。
 自分の理想はプレーで引っ張って、こういうボールちょうだいよ、とか、そういう高い要求の試合の中で、プレーをすることで語りたかった。自分が先発を取れていれば、そういう選択肢もあったと思うけど、それもなく、自分が途中から出たりとか、監督に使われてない状況では、アドバイスなんて言いたくないというのもあったかもしれない。そういうところで、引退もすごい見えたっていうか、もう自分はそういうレベルなんだって思えてしまったんです」
 と、引退に至る苦しい胸中を赤裸々に吐露した。さらに、
「上に行けない悔しい気持ちばっかり残ってるし、でも、上に行けるって思ってたからやれてたところが、たぶん今シーズンなくなってしまったんで、今日やっていても、もっと上に行けるようなプレイできてないなって思えたし、はっきり終わりだなって思いましたね」
 その後、引退後の生活についても言及し、
「寂しい気持ちはありますけど、ヨーロッパでまだまだ何かに挑戦したいっていう気持ちがあるんで、選手ではたどり着けなかったところに、次のキャリアではたどり着きたいっていう思いのほうが強いですね。
 正直またゼロからのスタートだと思っていますが、自分自身がプレイヤーとしてやってきて、本当に上に上がろうと思ったら必死なことがたくさんある中で、それでも上に行きたいと考えている選手たちを指導したいと思いますし、そういう選手たちをさらに成長させていくような指導者になれたらいいかなと思います」
 と、ヨーロッパで指導者として進む決意を語ったのだ。

日本から駆けつけたスタンドのファンたちと記念撮影。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1)

 

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