■韓国にも日本にもある「板橋」

 さて、長~い前振りはこれで終わります。

 最近は、韓国の駅名表示や高速道路の案内標識にも漢字表記が使われているという話に戻ります。

 あるとき、現地の知り合いの車に乗って、ソウル市内の高速を走っていたとき、案内標識に「板橋」という地名を見つけました。

 東京の方は、僕がなんで「板橋」に反応したのか分かりますよね。そう、東京にも「板橋」という地名があるからです。東京都板橋区……。江戸時代、江戸から北に向かう中山道の親宿(江戸を出る最初の宿場のこと)でした。味の素フィールド西が丘があるところです。

 韓国の「板橋」は「パンキョ」と読みます。韓国の首都ソウル特別市の南東に接する城南(ソンナム)市盆唐(ブンタン)区にある街です。

 城南は韓国の2部リーグ、Kリーグ2に所属する城南FCがあるソウルの近郊都市です。城南FCは、かつては「城南一和天馬」と呼ばれ、アジアクラブ選手権やACLで優勝したこともある強豪でした。スポンサーの「一和」は「統一教会」系の企業で、クラブのプログラムなどには最初のページに教祖である文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁と韓鶴子(ハン・ハクジャ)夫妻の肖像がデカデカと掲げられていたものです(現在の城南FCは、統一教会とは関係がありません)。

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