■前節に続いて後半の試合運びに課題が

 後半開始とともに、仙台の森山佳郎監督が動く。オナイウを下げて、DF真瀬拓海を送り出す。オナイウが前半のうちに警告を受けていたことで、指揮官は退場になるリスクを回避したのだった。そのまま2列目の右サイドに入った真瀬が、コンディションをあげているのも交代の理由となったのだろう。

 もっとも、チームは緩やかにペースダウンしていく。リードしている仙台が無理に攻める必要はないものの、前へ出てくる相手の背後を突けば攻撃の勢いを削ぐことができる。それだけでなく決め切ることができれば、試合そのものを決めることができる。

 62分、群馬のFW佐藤亮に鮮やかな直接FKを決められ(記録は跳ね返りを押し込んだ高橋勇利也のゴール)、仙台は1点差に迫られる。この失点はしかたがないとしても、後半は前への推進力を失ってしまった。シュートは前半の8本に対して、わずかに2本である。2対1のまま逃げ切って今シーズン初の3連勝としたが、GK林彰洋の好守で1点を守り切った前節と、同じような試合展開になってしまった。

 試合後のフラッシュインタビューに応じた森山監督も、「前節に続いてリードしたあとの戦いというのが、まだまだ大人になりきれていないというか。課題ですね」と、後半の戦いぶりを指摘した。

 今節の結果を受けて、仙台は6位から3位へ順位をあげた。10節の山形戦以降は、6試合中4試合で複数得点を記録している。開幕直後に比べて攻撃力は高まっており、3点目をとって試合を決める展開も見せていきたいところだ。

【その(2)に進む】
  1. 1
  2. 2
  3. 3