「結果を出せない自分を使ってくれた」監督に感謝

 ここでも伊藤の選択肢は2つ以上あった。この2つの選択肢を作ったのは、大久保のフリーランニングだ。もし大久保が内側に走ってこなければ、伊藤はシュートを打つことができずに中島へのパスを選択することになったはずである。
 選択肢が増えると逆に迷いも出てくるのだが、この日の伊藤がシュートを選択したのにはわけがあった。
 試合前に、ヘグモ監督が伊藤に「今日は2点とってこい」と告げたという。ハーフタイムで1点を取った伊藤が監督に「1」と指をかざすと、「2」と監督から返ってきた。  
 伊藤はさらに「なかなか結果を出せない自分を使ってくれた」と監督に対する感謝を打ち明ける。監督と選手の信頼関係が少しずつ築かれつつある様子がうかがえる。
 浦和の守備に関しては、86分の失点シーンに課題がある。

この試合で史上3人目のJ1通算600試合出場を成し遂げたGKの西川周作。ちなみに、歴代1位は672試合の遠藤保仁、2位は631試合の楢崎正剛である。撮影/重田航

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