安西幸輝の指摘

 守備の要である植田直通は「1失点してから自分たちが後ろに重くなって、かなり押し込まれる時間帯が増えたっていうのも、失点の確率を上げた原因かなと自分も思ってる」と振り返るが、はっきりと守備を固めてしまうならそれも1つのやり方であるし、相手の勢いに向き合ってラインを上げていくという戦い方もある。そこに絶対の正解はないが、こうした状況で一番問題なのはチームの意識が揃わないことだ。

 そこから2つの失点シーンを振り返ると、1つ目は鹿島側からのロングボールのセカンドを拾われたところから、東京Vの前線のスピードを生かしたカウンターに対して、リスクマネージメントがズレてしまった結果だ。後半アディショナルタイムの同点ゴールは危険な位置でFKを与えたところから、谷口栄斗にヘッドでフリックされて、ボールウォッチャーになったチャヴリッチがFW木村勇大に合わされたところから、最後はMF見木友哉に押し込まれた。

 そうした1つ1つの対応で、狙い所の明確な東京Vと統率感を欠いた鹿島の差が結果になって表れた形だが、ここに関しては「途中交代の選手がアピールなしにして、チームのために戦わないといけないし、難しいのは分かってますけど、もうちょっと試合展開を楽にできたのかなと思います」という安西幸輝の指摘が真相を物語っているように思う。

PHOTO GALLERY ■【画像】東京ヴェルディをカシマスタジアムで迎え撃った、鹿島アントラーズのサポーター!■
  1. 1
  2. 2
  3. 3