大型連休3連戦で勝点9を積み上げ、3位に浮上した鹿島アントラーズ。首位を走る町田ゼルビアとは3ポイント差で、ようやくトップが見えつつある状況だ。
今回の3連戦で特筆すべきなのは、全試合で複数得点を奪っていること。最初のガンバ大阪戦では仲間隼斗と濃野公人がゴールし、続く湘南ベルマーレ戦ではエースFW鈴木優磨の2発と期待の助っ人・チャヴリッチが1発を叩き込んだ。そしてラストの柏レイソル戦では名古新太郎とチャヴリッチがゴール。大半の得点を2列目と最前線が挙げているのだ。
GKと最終ライン、ボランチ、最前線はメンバー固定というのが今季の鹿島だが、2列目に関しては頻繁に組み合わせが変わっている。
この3試合はガンバ戦と湘南戦が樋口雄太、名古、仲間の3枚が揃って先発。柏戦は樋口に代わって師岡柊生が今季初スタメンを飾り、前線からのハイプレスと推進力ある攻めを見せつけた。彼らがどこまでインテンシティの高いプレーができるかで、ランコ・ポポヴィッチ監督が目指す「前へ前へと迫力ある攻め」の成否が左右されるのだ。
「2列目は監督のチョイスなので、自分たちにできるのは準備をしておくことだけ。みんな運動量も強度もすごく高いし、誰がスタメンで出てもあまり変わらないパフォーマンスを出していくことが大事」とポポヴィッチサッカーの申し子と化している仲間は冷静に語る。彼らの戦術理解度と連携面の向上が、今回の3連勝の一因と見てもいいだろう。