■サプライズのジョーカー起用
「強度と推進力」を重視する指揮官が、これまで絶対的信頼を寄せてきたチャヴリッチをサブに回したのも1つのポイントだ。
外国人監督の場合、自分が連れてきた秘蔵っ子を外したがらない傾向が強いのも事実。けれども、Jリーグを熟知するポポヴィッチ監督は日本人と外国人をフラットに見られるアドバンテージがあるようだ。
「私はどう勝つかしか考えていません。選手には『つねに100%を出してほしい』と伝えています。『100%出せるのが5分なら5分、90分なら90分出してくれ』と。チャッキー(チャヴリッチ)に関しても、先発もあれば途中からもあります」
柏戦を2-1で勝ち切った後、指揮官は淡々とコメントしていたが、チャヴリッチにしてみればジョーカー起用というのはサプライズもあったという。
「監督とコミュニケーションを取った時、『自分はスタートから出れる』と言ったんですけど、監督は違う結論を出した。それには少しビックリしました。僕はキャリアを通してスタートで出ることが多かったですし、途中出場のウォーミングアップの仕方すら分かっていなかったので」と本人も苦笑する。「このまま行くと、もしかしたらもう2度とスタートから出られないんじゃないかな」という心配まで口にするほど、チャヴリッチ自身も2列目競争の激化を痛感している様子だ。