■明暗分かれる結果に

 後半開始早々の直接FKをクロスバーに当てた決定機にしてもそうだが、やはり脇坂が苦しいところで得点を奪ってくれれば、川崎はもっと泥臭く勝てるチームになる。背番号14の大先輩・中村憲剛もここ一番で大仕事を見せてくれていたが、その系譜を継ぐ男が希望を見せてくれた。それは今後のチームにとっても非常に大きなポイントなのだ。

 結局、この試合は伊藤敦樹と脇坂泰斗という同じIHを担う代表予備軍にとって明暗が分かれる結果となった。が、5月はまだ始まったばかり。今月はJ1だけで6試合もある。「5月は全勝して上に立てるようにしたい」と脇坂も語気を強めたが、ここで勢いに乗れれば、まだ上位浮上、優勝争い参戦も可能なのだ。

 彼ら2人がそのけん引役になり、ぜひとも森保監督を困らせるような状況に持ち込んでほしいものである。

(取材・文/元川悦子)

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