■混戦が続くJ2「順位に惑わされてはいけない」

 上記のカードに負けず劣らずホームチームの優勢が予想されているのが、19位の湘南ベルマーレを迎え撃つ5位の鹿島アントラーズである。鹿島の勝利予想は、75%を超えている。

 だが、本当に両チームの間には、それほどまでに大きな差があるのだろうか。

 5位につけている鹿島だが、今季ここまで連勝は1度しかない。一方で、連敗も1度のみ。つまりは、安定感に欠ける「読めない」チームなのだ。

 対する湘南は、3連敗した時期もあったが、昨季の王者ヴィッセル神戸に終了間際にゴールを奪われたものの、そこまで無失点で試合を運ぶ粘り強さを発揮し、前節は札幌相手に3点差から追いついた。交代選手がゴールしたことも、チームの総力が問われる連戦ではプラスに働くはずだ。

 湘南は鹿島に対し、ここ2シーズンで2分2敗。今回も引き分ける可能性は十分にあるとみる。過去3勝17敗と分が非常に悪い鹿島のホームで勝点1を獲得し、上位争いの足を引っ張ることになれば、下剋上と呼んで過言ではないだろう。

 14位のアルビレックス新潟も、3位サンフレッチェ広島を足止めする可能性は高いとみる。

 広島の勝利を予想する声は、70%超。順位の差を考えれば、こうなるのも無理はない。

 だが、6年ぶりの再会となった昨シーズンの対戦で、上回ったのは新潟だ。ホームでもアウェイでも勝利して、シーズンダブルを記録している。

 新潟は前節、今季最多の3失点で敗れた。昨季も3失点は3度あったが、そのたびに次の試合はドローで建て直している。しかも、そのうち2試合は、無失点に抑えている。

 ともに昨季から続投する指揮官同士の相性もあるのかもしれない。広島の引き分けの多さや現状を鑑み、出した答えはドロー決着だ。

 J2でも上位と下位が対決する。5位いわきFCと10位ジェフユナイテッド千葉、7位ヴァンフォーレ甲府と12位大分トリニータが激突する。

 だが、今季も混戦が続くJ2で、順位に惑わされてはいけない。この2カードとも、両チームの間には勝点2しか差はないのだ。

 過去の対戦での相性や最近の調子を考え含めて、ともに下位チームの勝利を予想したい。勝てば一気に順位は逆転。下剋上の楽しみが一層、増すことになる。

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