■活発なやり取りを連想される言葉の裏側で…

 ウルブスとの提携は、2年前から話し合いを重ねてきた。「お互いのシナジーが本当に合うのかを、時間をかけて検証していきました」と眞壁会長は話す。提携にあたっては、イギリスへ飛んでウルブスのクラブハウスを訪問した。オーナー会社の中国企業のトップとも、上海で会談している。

「ウルブスもオーナー企業も、提携先のやり方や歴史をとても尊重してくれる。彼らとはいい関係を築ける、と考えました」

 今回の提携は、4つの項目を柱とする。

1:両クラブ間のトップチームやアカデミーに所属する選手及びコーチなどの人的交流

2:両クラブの発展のため、両クラブのトップチームやアカデミーに所属する選手の情報の共有

3:ヨーロッパのトップリーグで活躍する可能性のあるアジアの選手の育成への協力

4:ビジネス上の経験や知識を相互の発展のために共有する

 G大阪や磐田、広島や神戸のニュースリリースにも、同じような内容が並んでいる。「交流」、「共有」、「招待」、「交換」といった単語の行列は、活発なやり取りが行なわれていくことを期待させる。しかし、過去には尻すぼみの印象を与えた提携もあった。たとえば育成年代の取り組みは時間がかかるとしても、成果として可視化できるものがもっと出てきていいだろう。

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