■数的劣勢の中で「必要とされる」2つの戦い方
今回のU-23日本代表に招集されている選手の多くは、すでにJリーグで主力として活躍している。「U-23に選手を抜かれたので戦力ダウン」と言われているチームがいくつもあるのだ。
そして、Jリーグは、アジアでは最も競技力の高いサッカーリーグだ。
そのJリーグで主力として戦っている彼らは(少なくともアジアのレベルでは)、選手としての完成度が非常に高い。90分を戦え終えた後、日本の選手たちが余裕のある表情を見せていたのがとても頼もしかった。
もちろん、戦い方が完璧だったわけではない。
数的劣勢の中で戦うとき、守備を楽にするためにも、ボールを奪ったら、そのボールをつないで攻撃の形を作ることが大事だ。攻め切って得点するまでは至らなくても、攻める形を作ることで守備陣を立て直す時間を作ることができるし、相手選手を少しでも自陣から遠ざけることができる。
中国戦の日本は、守備的な戦いを選択したといっても、もう少しボールをつなぐ場面を作りたかった。
また、後半に入ってからは、カウンターからいくつかチャンスを作ることに成功した。
最大のものは71分。左サイドで交代で入ったばかりの佐藤恵允が、いったん奪われたボールを奪い返して、そのままドリブルで持ち込んだ場面。その流れからゴール正面で獲得したFKから、松木がFKから無回転系のシュートで直接狙った。
佐藤は85分にも細谷がつぶれながらつないだボールをドリブルで持ち込んだのだが、最後のタッチが大きくなりすぎてシュートできなかった。
こうしたカウンターの場面で2点目を奪うことができれば、完璧な試合運びだったのだが……。