■仙台はセットプレーに活路を

 仙台がここまであげた10得点を振り返ると、手数をかけずに相手ゴールへ迫っている。そのなかで相良が4得点、中山が3得点を記録している。清水は両SBの攻撃参加にも特徴があり、トップ下の選手にボールが入ると全体が前がかりになる。そこでボールを奪えば、カウンターを発動できる。相手SBの背後を突ける。相手トップ下のプレーを制限することは、そのまま効果的な攻撃へとつながっていくのだ。

 セットプレーも生かしたい。清水は2節のV・ファーレン長崎戦、前節のいわきFC戦でCKから失点している。長崎にはゾーンディフェンスの間を、いわきにはゾーンディフェンスの外側を使われた。仙台のリスタートでキッカーを務めるFW中島元彦は、高精度のキックを操る。ターゲットとなる選手と彼のキックが連動すれば、得点のチャンスが広がる。

 仙台はロングスローも使える。右SBの高田椋汰、左SBの石尾陸登が、距離のあるボールをゴール前へ入れることができる。10節の山形戦では、石尾のロングスローの流れからCB菅田がヘディングシュートを決めた。守備の時間が長くなることを想定しても、仙台はロングスローを含めたセットプレーを有効活用したい。

 J2で戦うのは、清水が2シーズン連続、仙台は3シーズン連続だ。このままでは、危険な「沼」にハマりかねない。J1昇格を勝ち取るためにも、どちらにとっても負けられない一戦だ。今節のJ2最注目カードは、20日14時にキックオフされる。

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