■ブエノスアイレス郊外に「隠れ住んだ」戦犯

「蹴球放浪家」としては、ふだんはタクシーではなく、公共交通機関を利用しています。しかし、アメリカは車社会。タクシーを利用する機会も多くなりました。

 O・J・シンプソンの自宅はたまたま僕にとってはどうでもいい話題だったのですが、一般的にタクシー・ドライバーとの会話は貴重な情報源になることがあります。

 アルゼンチンで「あそこがアドルフ・アイヒマンが隠れ住んでいた家だ」と教えてくれたのも、タクシー・ドライバーでした。

 第2次世界大戦中にナチス・ドイツの秘密警察「ゲシュタポ」のメンバーとしてユダヤ人虐殺を行ったアイヒマンは、戦犯として拘束されますが、その後、逃亡してブエノスアイレス郊外に住んでいました。しかし、1960年にイスラエルの情報機関「モサド」によってイスラエルに連行されて死刑判決を受け、処刑されました。

 この有名な事件のことには興味があったので、このときはタクシー・ドライバーの情報に感謝したというわけです。

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