■理想的な展開で仙台が3試合ぶり白星
前半を2対0で折り返した仙台にとって、山形が後半開始からパワーを注いでくることは想定内だったはずだ。ある程度ボールを握られる中でも、守備のバランスを崩さずに対応していく。68分にMF長澤和輝が負傷退場するアクシデントに見舞われたものの、代わって出場したMF松井蓮之がスムーズにゲームに入り、仙台の試合運びは落ち着きを保つ。
山形が63分、76分、82分と交代カードを切り、選手の立ち位置を変えてきたのに対して、仙台は68分の長澤の負傷交代と、77分の中島からFWエロンへの交代で試合を進めていった。交代カードを早い段階で多く切らなかったのは、相手の攻撃を跳ね返しながら追加点を狙っていく姿勢が、チームに浸透してきているからだろう。前線から規制をかけ、中盤とDFラインが連動する守備は、最後まで崩れなかった。
森山監督はアディショナルタイムにDF知念哲矢、MFオナイウ情滋を送り出し、最後は5バックで逃げ切った。3試合ぶりの白星である。
試合後のフラッシュインタビューでは、「素晴らしい1点目と2点目が大きかった」と振り返った。4試合ぶりのクリーンシートも評価した。守備を整備した今シーズンの仙台にとって、今日のような先行逃げ切りの試合展開は理想的だろう。
4月20日開催の次節は、清水エスパルスとのアウェイゲームだ。森山監督は「(今後の対戦相手が)横綱、大関と続いていくので、そういうときこそ僕らも強く戦える。守備からの攻撃という良さが出ると思うので、恐れずに立ち向かっていきたい」と話した。
ここまで7勝1分2敗で首位を走る清水は、「東の横綱」と言っていい立場だ。その翌週はジェフユナイテッド千葉をホームに迎える。ここまで4勝2分4敗の10位だが、昨シーズンはJ1昇格プレーオフに進出している。
J1昇格を争うライバルとの連戦でも、この日のような戦いを見せることができるか。まずは清水戦に注目だ。