■「年齢は関係ない」
GK陣の一人として名古屋を支える意識はもちろん、個人としても向上していく姿勢は失われていない。そして磐田戦で、武田は新たな刺激を対面する相手のGKから受け取った。41歳の川島永嗣だ。13年間に渡り欧州で挑戦し、4度のW杯を経験した川島は名古屋のレジェンドでもあり、武田にとっても尊敬の対象だが、同じピッチで対戦して伝わるものがある。
「世界でやってこられているので。やっぱり冷静でもあるし、存在感はすごいなと思います。年齢は関係ないというか。キーパーとしての良さというのは増してるんじゃないかなと。ああいうのを見せてもらうことによって、まだまだやらなあかんというのはあるし、できる、やれると思いました」
長谷川監督も信頼を置くベテランとしての経験値はありつつ、一人のGKとして年齢関係なく向上心を持っていく。開幕3連敗から5試合で4勝1分。J1の8位に浮上してきた名古屋にはもちろんJリーグ屈指の守護神ランゲラクがいるが、武田洋平という”ただの代役”ではない、頼もしいGKが支えている。
(取材・文/河治良幸)