グローブの汚れていないキーパーという言葉がある。この日、武田洋平が直接シュートを処理したのは2本だったが、10人になってから5-3-1で守る味方を後ろから鼓舞して、センターバックの3人ともゴールマウスを堅く守り続けたことが、そうした状況を生んだと言える。
「みんな結構、自信持ってやれてる感じがしたので。慌てる選手もいなかったし、しっかり声掛けできてたし、その点は良かったと思います。やることみんなで共通理解してやったので。すごい一体感が出たと思います」
10人というイレギュラーな状況になっても、その場でそれぞれがやるべきことを理解して、チームで共有するというのは決して簡単なことではない。特に明確な5バックになった状況で、中央の3人がゴールマウス枠ぐらいに密接することで、中央だけは絶対に割らせないという守備は背後から支えるGKの安定感なしにはなし得ない。
ビルドアップに関しては今シーズン初出場だった前節の福岡戦ではやや不安があり、磐田戦では「前回に比べたら良かったとは思います」と語るが、控えのGKがいざ出た時に、安定したパフォーマンスを見せるのは決して簡単なことではないだろう。そこに関しても武田は「自分自身としてはいつきてもいいように、しっかり準備して、戦術理解もそうですし。あとはみんな自分自身、誰が出てもという意識で準備していく。あとは勝っていくだけです」と語る。
「一人しか出られないので。出れてない選手の方が多いわけですから。1チームとして。いろんな思いはもちろん選手にはありますけど、みんな学ぶ姿勢というのはあるから。今、名古屋のキーパー陣はいいと思いますね」