【10人で磐田に勝利した名古屋。36歳GK武田洋平の、ただの代役ではない存在感(2)】「年齢は関係ない」――武田の向上心を刺激した対戦相手・川島永嗣の存在の画像
名古屋グランパスのGK武田洋平 撮影:中地拓也

 グローブの汚れていないキーパーという言葉がある。この日、武田洋平が直接シュートを処理したのは2本だったが、10人になってから5-3-1で守る味方を後ろから鼓舞して、センターバックの3人ともゴールマウスを堅く守り続けたことが、そうした状況を生んだと言える。

「みんな結構、自信持ってやれてる感じがしたので。慌てる選手もいなかったし、しっかり声掛けできてたし、その点は良かったと思います。やることみんなで共通理解してやったので。すごい一体感が出たと思います」

 10人というイレギュラーな状況になっても、その場でそれぞれがやるべきことを理解して、チームで共有するというのは決して簡単なことではない。特に明確な5バックになった状況で、中央の3人がゴールマウス枠ぐらいに密接することで、中央だけは絶対に割らせないという守備は背後から支えるGKの安定感なしにはなし得ない。

 ビルドアップに関しては今シーズン初出場だった前節の福岡戦ではやや不安があり、磐田戦では「前回に比べたら良かったとは思います」と語るが、控えのGKがいざ出た時に、安定したパフォーマンスを見せるのは決して簡単なことではないだろう。そこに関しても武田は「自分自身としてはいつきてもいいように、しっかり準備して、戦術理解もそうですし。あとはみんな自分自身、誰が出てもという意識で準備していく。あとは勝っていくだけです」と語る。

「一人しか出られないので。出れてない選手の方が多いわけですから。1チームとして。いろんな思いはもちろん選手にはありますけど、みんな学ぶ姿勢というのはあるから。今、名古屋のキーパー陣はいいと思いますね」

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