今回のtotoは、J1第8節の9試合とJ2第10節の4試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
今季のJ1では、東京が熱い。首都のクラブが、日本のサッカーの流れを握っている。
16年ぶりにJ1に帰ってきた東京ヴェルディは、まだ1勝しかしていないが、その戦いぶりには称賛する声が少なくない。そして今節は、連勝で7位につけるFC東京と、2008年以来となる東京ダービーを戦う。
両チームが注目される理由のひとつが、若手の輝きだ。パリ・オリンピック出場を目指すU-23日本代表世代の選手たちが活躍しているのだ。
東京Vに期限付き移籍で新たに加入した山田楓喜は、今季ここまで3得点。セットプレーでも威力を発揮する魅力的なMFだ。さらに、その上を行く5ゴールを挙げているのが、やはり期限付き移籍でFC東京に加わった荒木遼太郎。こちらもMFながらJ1得点ランクで3位につけている。
東京Vには染野唯月、FC東京には松木玖生、バングーナガンデ佳史扶ら、他にも有望な同世代の選手が多い。だが今回のダービーでは、その期待の若手がマイナス要素になりそうなのだ。
U-23日本代表はすでに、パリ五輪出場権がかかるU23アジアカップの開催地カタールに入っている。そのため、同代表に選出されている東京Vの山田、FC東京の荒木、松木らは今節から数試合、欠場を余儀なくされる。
ともにハンディを負っての東京ダービーとなるのだ。だが、この試練に立ち向かいつつ、笑うのは東京Vになると予想する。
まずは、FC東京のU-23日本代表への選出人数が3人と、多いことが理由のひとつ。中でも大きいのが、松木玖生の離脱だ。今季は主将を務め、ここまで全試合に先発し、チームで2番目に長い603分間ピッチに立ち続けた大黒柱が不在となるのだ。
一方の東京Vも、山田の不在は痛いはず。しかし、第7節までに1試合は欠場し、途中交代も多く出場時間は403分間。城福浩監督はこうした事態も考慮したかのごとく、山田に依存しすぎないチーム状態をつくり上げてきたのだ。
こうしたマネジメントの差が、ダービーで結果につながるはず。予想は、長年J2暮らしをしてきた東京Vの下剋上である。