■中2日の強行日程!パリ五輪で「勝つ」システム
アメリカ戦の前半は谷川をMFで起用し、熊谷紗希と南萌華をセンターバックに置くフォーバック(4-3-3)で戦った日本は、前半アメリカの猛攻を受けたことで、テストも兼ねて後半はスリーバックに切り替えた。
谷川に替えて、さらに若い古賀塔子(2001年1月生まれ)を投入して、熊谷を中心に右に古賀、左に南という形だ。
従来、フォーバックで戦うことが多かった女子代表だったが、2022年の夏、つまりワールドカップの約1年前頃から池田太監督はスリーバックへの挑戦を始め、ワールドカップはスリーバックで戦ってラウンド16進出を果たした。だが、オリンピック終了後、池田監督は今度は熊谷をアンカーに置くフォーバックを試していた。
アメリカ戦では、さらに若い谷川をアンカーに使って、熊谷を最終ラインに置いたフォーバックとスリーバックを試したのだ。
2月に行われた北朝鮮とのオリンピック・アジア最終予選では、2つのシステムを切り替えることで勝ち抜いたなでしこジャパン。
オリンピック本大会は中2日の強行日程で、しかも登録選手が18人という過酷な条件で戦わなければならないだけに、いくつものシステムや選手の組み合わせをうまく使い分けられれば大きなアドバンテージとなるはずだ。