■鬼木監督と山田新が語るギラつき

 家長だけでなく、長年、共闘してきた鬼木達監督も、「一番ゴールに貪欲な選手。トレーニングマッチでも得点を重ねていて、選手からの信頼も一番ある」とこの試合後に表現したうえで、「本当に何回も動き出している中で本当に毎回いろんな選手に対して見てくれって、やっぱり自分への自信もあると思いますし、そういうものが今日ピッチで表れた」と、小林の闘争心がこの偉大な記録に結びついたと話す。

 小林と交代で試合に入ったFW山田新は、その気持ちの影響を受けている選手だ。「一緒にベンチでアップしてでもひと際ギラつきじゃないですけど、ゴールに対する気持ちが違いますし、チームを勝たせるっていう姿勢はやっぱり人と違うものはあります」と言う。

「ああやって悠さんが決めたことで自分にも刺激にもなりますし、自分がもっともっとやっていかないといけないなっていう思いになります」

 一時逆転弾となるゴールを決めた若き背番号20は、偉大なゴールを目撃して改めてこう表現している。

 小林悠はこの試合での負傷で、離脱する可能性が高い。しかし、このゴールでチームに取り戻させたものは、きっと残る。このゴールと執念の引き分けをきっかけに、川崎が巻き返しを図る。

(取材・文/中地拓也)

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