■「また早くグランドに帰ってきてほしい」
その小林はゴールを決めたものの、後半29分に負傷交代。ピッチに座り込んで、最後は担架に運ばれる形でベンチに下がっている。家長は、「今日、残念ながら怪我してしまいましたけど、悠が川崎にいることはサポーターの方もそうですけど、チームメイトとしても素晴らしいことだと思いますし、一人の同僚としても人間としても尊敬しているので、彼がゴールを決めたり活躍するのは自分のことのように嬉しい」と話す。そして、「苦しいときにああやって決めてくれる、ここまで決め続けて来てくれた背中っていうのも見てきたので、また早くグランドに帰ってきてほしい」と続ける。
実際、ピッチに座り込んだ小林に寄って行ったのは家長だった。顔を近づけ、手を伸ばして、背番号11に寄り添った。近年の小林は負傷が多くなり、今季もその影響で沖縄キャンプもチームに合流しての全体練習はできなかった。それでも、チームにいつ戻ってもいいように、トレーニングマッチは熱心に見学し続けていた。ギラギラした気持ちは誰よりも持っている。
「同じ年代なので彼が背負ってきたものも知っているし、彼が今、置かれてる状況も分かるし、悔しい気持ちは分かる」
家長は小林に寄り添った時の気持ちをこう口にしている。