■荒木遼太郎「ここからが本当の戦いだと思う」
ただし、韓国も流れの中から得点したわけではない。スコアレスで迎えた後半30分に獲得したコーナーキックを生かしてのものだった。日本代表から見て左で与えたCK、相手のキッカーがファーに蹴ったものをキム・ミヌに合わせられての失点となった。
「セットプレーでやられてしまった。堅い試合だからこその攻守のセットプレーの重要さっていうのは、選手もすごく重要視していた」
松木は悔しさをこう言葉にしている。
この大会において、選手の口からはセットプレーの重要性は何度も出ていた。韓国戦を前に藤田譲瑠チマは、「簡単にセットプレーを渡さないことが第一。セットプレーの守備練習はしている」と警戒していた。分かっていても試合を動かすものだからこそ、カタール戦では逆に生かす形にしなければいけない。
決定力不足やセットプレーなど、大岩ジャパンが露呈した課題はいくつかある。しかし、間違いなく言えるのはグループステージを突破したという事実だ。先述したように、韓国に勝っても負けても決勝トーナメントで2勝しなければ、パリ五輪の出場権は得られない。
荒木遼太郎が「ここからが本当の戦いだと思う」と話すように、重要なのはここから。韓国代表に味わった悔しさを、まずはカタール相手にぶつける。