■明かしたサポーターへの気持ち
自らもシステムが[4-4-2]だった20分に、味方とのパス交換から相手ゴール前に侵入。右足を思い切りよく振り抜くも、シュートは右ポストを叩いた。
「ああいったところも、自分に決め切る力がまだないと思っている」
自らを責めた脇坂に試合後の光景を聞いてみた。ブーイングひとつなく、拍手とエール、そしてフロンターレコールが響いた本拠地をどう思ったのか、と。
「ホームでもなかなか勝てていないなかで、常に前向きな声援を送り続けてくれることに対して感謝の気持ちでいっぱいだし、試合で勝ちを届けて一緒に喜びたい、という気持ちがあるのに、それができないのがすごく悔しい」
スタンドには「這い上がろう 俺達と共に」や「己を信じ進め川崎」といった横断幕も掲げられていた。川崎に関わるすべての人間がもがき苦しんでいる。
(取材・文/藤江直人)
(後編へ続く)