■あの笑顔の元になった試合とは
このケーキを作ったのは、『なんぺいの木』という洋菓子店。川崎市内に店を構え、等々力競技場での川崎フロンターレの試合開催日には出店している縁もある。3月中旬、最初は別の2つの店にお願いをしたが“似顔絵”などの要素で断念することに。
しかし、その店から推薦を受けたのが同店だった。最初に電話をした時点で快諾してもらい、実際に、多摩川クラシコ開催日に等々力競技場で打ち合わせも行うことができた。
当初は形も崩れず事前に搬入できる冷凍ケーキ案もあったが、同店のM氏の「生のほうが見栄えがいいものが作れます」という熱い情熱によって生のケーキに。そして、鬼木監督の似顔絵をチョコレートでデザインすることとなった。
表情にもこだわりを持ち、大きく拡大できる写真を参考にしてもらうことで作ってもらった。笑顔が映えるその顔は、昨年の川崎フロンターレの公式戦ラストマッチであるACL蔚山戦の試合開始直前のベンチに座っていたときのもの。若手を多く送り出したこの試合で、指揮官は緊張した表情ではなく、柔和な笑顔をピッチに向けていた。
(取材・文/中地拓也)
(後編へ続く)