■小林悠が語る大島僚太
まだ試合には出場できていない。とはいえ、9か月ぶりの完全合流という大きな節目となった。そんな気持ちを聞くと、「去年から数えても分かんないぐらい、回数も含めて、いろんな感情があったので、これっていうのはあんまりないですけど……」と口にして、以下のように言葉を紡ぐ。
「治すためと、治った後のことを考えて、取り組む義務は、契約がある以上はやるべきですし、それに反することはしてないつもりなので、早く治らないかな、しっかり治ってほしいなっていう思いの中でリハビリしてきて、まだ少ない日数ですけど今やれてめちゃめちゃ楽しいなって思ってます。
またチームで貢献できたらなって思いしかないので、落ち込むときと沈んでるときは絶対あったと思いますけど、あんまりそこを考えすぎずに、はい。“いいなボール蹴れて”とか、“いいな早く蹴りたいな”なみたいな感じで、1日1日を大切にしてきたつもりではいます」
そんな大島の復帰をチームメイトも歓迎する。この日、小林悠は大島の完全合流についてこう語っている。
「僕にとってはめちゃくちゃ大きいです。何も考えずに自分が動き出せるんで、やっぱり大きいなと思いますね。考えてから動くんじゃなくて、もう自然と自分の体が動く、僚太が持つと、そこはやっぱり他の選手とは違う」
前線の選手の体を“何も考えずに本能のまま”に動かせるタクトを持つ大島は、当然、直接的に得点に絡むことができる。そして、中盤の選手にとってもいい教科書となる。どうすれば、他の選手の動きをより滑らかにできるのか、という点で。
大島僚太の復帰は、試合に出ていない時点でも大きなものをもたらす。これ以上の負傷がないことを願わずにはいられない。
(取材・文/中地拓也)