川崎フロンターレを率いて8年目を迎え、昨シーズンまでに7個もの国内タイトルを獲得してきた鬼木達監督の脳裏に、屈辱的な光景が蘇ってくる。
ホームのUvanceとどろきスタジアムで、初めてJ1リーグに臨んでいるFC町田ゼルビアに0-1で敗れた7日の第7節後の公式会見。鬼木監督は突然、16戦連続で不敗だった鹿島アントラーズに苦杯をなめた3月17日の第4節に言及した。
「この間のアウェイの鹿島戦は、本当ににらまれただけで相手にボールをわたしてしまうような状況が1試合ずっと続いていました。自分のなかでワーストと言えるゲームでしたが、今日の前半はそれに近い形だったと思っています」
町田との前半も指揮官のなかで川崎のワーストゲームに加えられた。ベンチから戦況を見つめていた36歳のベテラン、FW小林悠も同じニュアンスの言葉を残した。
「前半はほぼ自陣で戦っていたというか、ずっと攻められている感じだった。やはりあれだけ相手に圧力をかけられて、クロスやセットプレー、ロングスローといったものを放り込まれたなかで、かなり難しい展開ではあったと思う」