■アフリカの洗礼で悔しい3失点も「大きな収穫」

 特に、両サイドハーフは強力だった。

 左サイドハーフのティエモコ・ディアラはサイドに張らずに、トップ下あたりにポジションを取ったり、ドリブルで中に切れ込んだりと戦術的な動きがうまい選手だった。逆に、右サイドのシェイク・ウマル・アブドゥラ・フォファナはスピードとパワーを兼ね備えた、いわゆるフィジカル・モンスター的な存在だった(日本もフル代表経験もあるバングーナガンデ佳史扶FC東京=がフォファナによく対抗した)。

 時間が経過するとともにマリの選手たちの動きが上がっていき、マリは非常に効率良くゴールを決めた。

 1点目は日本のDF間のパスの乱れを拾ったもの。2点目はCKからの流れでママドゥ・サンギャレがシュートを放ち、日本のGK野澤大志ブランドン(FC東京)が弾いたところを押し込んだもの。そして、3点目は1点を追って攻めに出た日本の逆を突いて、マリの左サイド、ブライマ・ディアラがスローインからのボールを受けてドリブルで突破したもの……。

 いずれも完全に崩されたわけではないだけに、日本にとっては悔しい3失点だったが、彼らのスピードには後手に回ったのは事実。アフリカとの対戦経験が少ない現在のU-23日本代表。“アフリカの洗礼”を受け、世界のトップクラスのスピードを体感できたのは大きな収穫だった。

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