■相手の変化に冷静に対応「パス回しを阻止」
ウクライナ戦で大幅に改善できたことには、そのような理由が考えられる。
また、勝利することができたのは、中盤での攻防で完勝したからだ。
ウクライナの中盤は、イバン・ゼリズコをアンカー(中盤の底に位置して攻守に貢献するMF)に置いた逆三角形がオリジナル・ポジションだったが、右インサイドハーフのキリロ・シヘイエフは前線に飛び出したり、サイドバックが攻撃参加したときは後ろをカバーしたりと、前後左右に神出鬼没の動きを見せ、それに伴って中盤の陣形は複雑に変化した。
キャプテンで、右サイドバックンのオレクシー・シチは、常にタッチライン沿いで高い位置を取るだけでなく、時にはインナーラップ(ボールを保有している選手の内側を、他の選手が後方より追い越すオフ・ザ・ボールの動きのこと)して中盤に加わったりもする。
そうしたウクライナの中盤の動きに対しては、しっかりとスカウンティング(大会前に対戦相手のビデオを見たり、実際の試合を偵察しにいったりすること)もできていたようで、日本のMF陣は相手の変化に惑わされることなく、冷静に対応してウクライナのパス回しを阻止できた。