■「自分がやってやるんだっていう気持ちが大切」
マリ戦の前半にシュートが少ないと感じていた藤田譲はウクライナ戦に向けて「自分がやってやるんだっていう気持ちが大切だと思いますし、そういったものは多分、ムリヤリでもいいからシュートを打つとかっていうことになってくると思うので、そういったものからどんどん自分たちのリズムだったり勢いっていうのが出せれば」と語っていた。そのためには多少のエゴを出すことも必要と主張していた藤田譲の思いは選手たちに響いたようだ。
前半5分には染野唯月(東京ヴェルディ)のプレッシャーからGKのキックミスを誘い、いち早く反応した藤田譲が高い位置でボールを拾って、MF荒木遼太郎(FC東京)に素早くパスを付けるシーンがあった。そこから荒木はディフェンスを一人外すと、ミドルレンジから右足を振り抜いたがシュートはクロスバーの上に外れた。外側でフリーになっていた山田楓喜(東京ヴェルディ)を使えば、このシーンでゴールの可能性は高まったかもしれない。
しかし、藤田譲は「少し前向きになりすぎてしまったシーンも何回かありましたし、最後、パスを出せば他の人がうまく打てるのになというシーンが前半ありました」と前置きしながら、「シュートを打ってこそリズムが生まれるということもあると思うので。そこに関しては良かった」と主張した。この試合で藤田譲が何より大事にしていたのが、前向きな姿勢だったからだ。
(取材・文/河治良幸)