【ジョエル&リヒト。パリ五輪を目指す”大岩ジャパン”の頼もしき二人のリーダー(1)】藤田譲瑠チマの強烈なリーダーシップ……「自分がやってやるんだっていう気持ちが大切」の画像
U-23サッカー日本代表の藤田譲瑠チマ 撮影:中地拓也

 パリ五輪を目指すU―23日本代表は北九州でウクライナに2−0と勝利。3日前に1−3で敗れたマリ戦と打って変わり、大岩剛監督が掲げてきた連動性の高いハイプレスとショートカウンター、ボールを動かしながらサイドチェンジ、縦パスを織り交ぜた多彩な攻撃で、本大会を決めているウクライナを多くの時間帯で押し込んだ。その試合で中盤からチームを心身両面で、見事にコントロールしたのが”ジョエル”ことMF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)だ。

 チームのキャプテンは同じくシント=トロイデンに在籍するMF山本理仁だが、中2日の日程、できるだけ全ての選手にチャンスを与えたいという大岩監督の方針もあり、マリ戦でフル出場の山本はベンチスタート。結果的にウクライナ戦の出番はなかった。しかし、これまでキャプテンマークを巻かなくても誰より声を出してきた藤田譲は専用スタジアムの大観衆の前で、声を枯らすほどチームを鼓舞し続けた。

 後半の途中、ベンチに叫んでた理由について「早く水が飲みたかった。多くのファンサポーターが来てくれて、声が通らなかったので、大きな声を出して……」と明かしたほどだ。ただ、この日はマリ戦と違い、周囲の選手たちも「馬場だったり(鈴木)カイトもうまくコントロールしてましたし、他にも大畑だったり関(関根)、後ろは全般的に声を出してましたし、前もうまく要求できていた」と藤田譲は振り返る。

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