■「代表で見せるしかない」

 そうした厳しい環境で刺激を感じながら、そうした場所でも通用するとう実感を得ての代表合流でもあった。その移籍から少し前、アジアカップのメンバーに橋岡の名前はまかった。「やっぱりアジアカップに選ばれなかった悔しさはものすごくありました」と橋岡は振り返る。

「自分がここに立っていたかったと言うのがあって、その次の代表で見せるしかないなと思いました。ルートン・タウンでやってきたこと。それは自信につながりましたし、それを代表の練習から見せて行かないと、という気持ちだった。アジアカップは試合を観ながら、どういうところで自分は代表チームに還元できるかなって考えた時に、球際の強さ、競り合いの強さ、推進力というのは自分の強みだと思う」

 そういう強みを前面に押し出そうと臨んだホームの北朝鮮戦は改めて、自分のアイデンティティを示す機会でもあった。それを証明するような前向きな守備は右サイドのポジションから、5バックの日本に活力を与えて、北朝鮮の圧力に屈せず前に出ていくパワーを与えた。

 もちろん橋岡が本当の意味で”森保ジャパン”の主力に定着するには熱量や強さだけでなく、プレーの質というところも問われてくる。たとえばチャンスの場面で、クロスを合わせてアシストを記録することなどもそうで、事実、「そういうところでも違いを見せていきたい」と語る。プレミアリーガーとして初めて出た代表戦は1−0でのクローズに貢献したが、スタートから勝利を支える存在になるためにはここからの成長が求められてくる。

(取材・文/河治良幸)

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