【J2「序盤戦攻防」】ベガルタ仙台、我慢比べのスコアレスドローで勝点1奪取 森山監督下の変化「負けない戦い」の先に求められるもの【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
今季からベガルタ仙台の監督に就任した森山佳郎氏  撮影/中地拓也
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■風下の前半は狙いどおり

 負けない戦いは、できている。

 J2リーグに臨んでいるベガルタ仙台は、3月16日に第4節を消化した。対戦相手はブラウブリッツ秋田である。アウェイでの「東北ダービー」だ。

 森山佳郎新監督のもとで戦っている仙台は、ここまで2勝1分と好スタートを切った。メンバーがすでに固まっており、GK林彰洋と4バック、ダブルボランチとセカンドトップの中島元彦の8人が、4試合連続でスタメンに名を連ねる。

 秋田のホーム・ソユースタジアムは、強風下のコンディションが多い。この日も強い風が吹きつけている。

 前半の仙台は風下だった。シンプルに背後へ蹴り込んでくる相手の攻撃を跳ね返しても、風に押し戻されたボールが予測不能の軌道を描く。その結果としてセカンドボールの回収に苦しみ、すぐにまた蹴り込まれるような展開が続いた。秋田が得意とするロングスローから決定機を作られたが、GK林の好セーブなどでしのいだ。

 攻撃の狙いどころは、セットプレーだっただろう。41分、古巣対戦となった右SB高田椋汰の持ち出しで直接FKを得ると、MF相良竜之介がデザインされた形からフリーで狙う。ペナルティエリアすぐ外からの一撃は、バーをかすめるように逸れていく。

 風下の中で失点を許さなかったのは、プランどおりと言っていいだろう。そのうえで攻めの形を作り、仙台は後半へ向かっていった。

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