■「我慢比べ」で勝点1

 風上に立った後半は、前半よりも主導権を握れるとの想定があっただだろう。ところが、ボール支配率こそ上がっていくものの、前線からのプレスが効かない。ロングスローでプレスを回避され、前半同様にセカンドボールの回収に動かされる。

 秋田は60分過ぎに2枚替えをした。仙台も全体の運動量がやや低下し、チーム全体の推進力が停滞している。それが我慢比べのような展開を招く一因にもなっていたが、仙台の森山監督はすぐに動かない。

 最初の交代カードは71分、菅原龍之助から中山仁斗へのスイッチだった。1トップを交代させるが、中山にボールが入らない。前線に起点が生まれないので全体を押し上げられず、攻撃の停滞感は解消されないままだ。逆にロングスローをきっかけとして、秋田に際どい場面を作られる。

 2度目の交代は84分、今度は2枚替えだ。相良と中島を下げ、MF名願斗哉とオナイウ情滋が立つ。2列目は右からオナイウ、郷家友太、名願の並びとなる。しかし、攻撃のギアは上がらない。セットプレーの流れから決定的なシーンを生み出すのが精いっぱいで、仙台はスコアレスドローの結果を受け入れることとなった。

 強風に悩まされたとはいえ、攻撃には不満が残る展開だ。その一方で、2試合連続クリーンシートのディフェンスは評価できる。22年、23年と失点が多かった体質が、森山監督のもとで改善されてきている。

 負けない戦いは、できている。あとは、勝ちきれるか。

 2勝2分となった仙台は現在4位。3月20日の次節、同24日の6節は、いずれもホームゲームだ。ここで勢いをつかめるか。仙台にとって重要な連戦となる。

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