ドイツ2部のシャルケが、13年前の東日本大震災発生直後の元サッカー日本代表DF内田篤人氏の姿をSNSで公開した。多くの人の涙を誘った姿が、またも感動を再燃させている。
2011年3月11日、東北地方を中心に、過去に例がないほどの大地震が日本を襲った。東日本大震災である。
多くの人や物が傷つき、失われた。計り知れない痛みと悲しみだった。
被災した当事者のみならず、多くの人が心を痛めた。遠い場所にいた人ほど、助けに動けない悔しさも味わったことだろう。そうしたひとりが、内田氏である。
内田氏は当時、ドイツにいた。2010年に鹿島アントラーズから移籍したブンデスリーガの名門、シャルケの一員としてプレーしていたからだ。
地震が起きた3月11日は、金曜日だった。震災の発生を知った内田氏だが、翌日にはフランクフルトとの試合が待っていた。
試合には2-1で勝利したが、未曽有の災害に襲われた母国を思い、内田氏は笑顔を浮かべることはできなかった。そんな内田氏を、当時のキャプテンだったドイツ代表GKマヌエル・ノイアーが、まさに背中を押した。進み出た内田のユニフォームには、日本語とドイツ語で震災で傷ついた人々へのメッセージが記されていた。
このメッセージは、試合会場へと向かうバスの中で記したものだという。隣の席に座っていたノイアーが理由を尋ね、負けた場合にはシャツを見せるつもりはないという内田氏に、必勝を約束したのだという。最後尾で体を張り、ノイアーは約束を果たした。