PK時の「侵入」からGKの「ボール保持時間」、一時的退場「ブルーカード」まで【2024年7月施行「ルール改正」で日本サッカーはこう変わる】(3)の画像
ブルーカードの導入は見送られた。写真:原悦生(SONYα1使用)

 サッカーは年々、進歩している。ルールも毎年、改善が試みられている。今年も、数点のルール改正が施されることが決まった。その5つのポイントを、サッカージャーナリスト大住良之が考察する。

■PK時に「ボール」をどこに置くべきか

 PKのときにボールをどこに置くべきか、これまでも議論があった。ペナルティーマークは、「両ゴールポストの中央から11メートルのところに」描くとあるだけで、その大きさについては明確な規定はなかった。しかし、多くの場合、直径22センチの白い円として描かれてきた。ボールの直径が約22センチ。それがスッポリと収まるようにしているのである。

 しかし、最近の欧州の試合では、このマークにわずかにかかる形でボールをセットする選手をよく見かける。コーナーから半径1メートルの4分の1の円が描かれた内側を「コーナーエリア」と呼ぶが、サッカーでは「ラインはそのエリアの一部」であるから、コーナーキックのとき、真上から見て、そのラインにボールが少しでもかかっていれば、「エリアの中に置かれている」ということになる。同じ考えをPKにも使っているのだ。

 ただ、「ペナルティーマーク」は「エリア」ではない。本来は面積のない「点」であるはずなので、「ペナルティーマークの中心」を、その「点」とし、それにかかるか、接していれば「ペナルティースポットにボールが置く」と認めるようだ。なんとも細かいが、合理的なように思える。

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